星の王子さまのバオバブの木と星を撮影できた至福の時間

いつ知ったのか完全に忘れてしまっていますが、小さな頃から名前は知らないけども
バオバブの木の存在は知っていたと思います。
サン=テグジュペリの星の王子さまに出てくる木だと知った時期も不明です。
でも木の存在は知っていました。
その木がアフリカ大陸32か国で野生の状態で見ることができるということよりも先に、
マダガスカルにバオバブ街道なるものがあることを知った記憶があります。

マダガスカという国は、私が中学生の頃読んだボクシング漫画のフィニッシュブローで
初めて知ったことも覚えています。
ただイメージとしては遠い遠い異国の地で、なかなか行くことがかなわない地であると
ずっと認識していました。
でも行くことをずっと狙っていました。
政情が不安定だったため諦めていたのも事実です。

ところが2009年に起きたクーデター以降、政情が落ち着き始め2012年に行くことを決断
したのです。

国際線は当時一度タイのバンコクに入って1泊していくと楽に短時間で行くことができた
のですが、どうしても現地の国内線の飛行機の便の手配が不安定で、満月の夜に合わせて
バオバブ街道のあるモロンダバに滞在できないと言われて諦めていました。
ただ不安定が故に、出発前日に満月の夜まで延期できることになり大喜びした記憶があります。

マダガスカル到着後、首都のアンタナナリボを見学し、ワオキツネザルを見に半日かけて
でこぼこ道を通ってベレンティへ行きました。
そこで様々な夜行性の動物も見た後にいざ目的のモロンダバへ行きました。

到着後直行でバオバブ街道に行ってもらい憧れの地を噛みしめました。
私がいく直前にモンスーンが来たらしくあちこちに水たまりがあり、その水たまりにたく
さんの花が咲き、子供たちが楽しく遊んでいました。

現地に行くまでは、有名なところなのでもっと観光地化されているのかと思っていました
が、普通に現地の方の住居があり通行していました。
観光客もどこにも見当たりませんでした。

その日の夕日は心に染みるような、黄色から赤へ、赤から紫へ、紫から蒼、夜色に
変化していきました。翌日が満月という待宵の月をしっかり撮ってその日はホテルへ。

翌日の早朝まだ星が残る時間にバオバブ街道に行くと、辺り一面に霧が・・。
その時の一枚がこの作品です。

霧と星空を撮っているとだんだんと明るくなり、早朝多くの現地の方々がバオバブ街道を
通り過ぎて行きました。撮影した一場面一場面がまるで絵空事のような気持でした。
ここにも毎日同じ時間が流れていることを肌身に感じながら撮影しました。

その日はモロンダバ巡りをして様々なバオバブを撮影し、最後は憧れの満月とバオバブの
木を撮影しました。満月の光が明るすぎて夜に撮っても昼のようになってしまうほどだっ
たのが今でも心に残っています。

講談社から2017年7月18日に発売されている「奇跡の絶景」38号には私の作品が約20
カット掲載されています。満月とバオバブの木の作品もあります。ぜひご一読を。

★もしあなたがいくならば
マダガスカルの通貨「アリアリ」に注意すべきです。
当時は1円が28アリアリだったので、1万円を両替すると28万アリアリになり凄い札束
になりました。両替所ではその札束をステープラー(ホッチキス)で止めてどんと渡され
ました。枚数が凄い数なのでその場でとても数えきれなかったのですが、一緒に行った方
は後で数えると足りなかったらしいです。両替する際には、一度に多くをするのではなく、
その場で数えることができる程度ずつ数回に分けて両替すべきと思います。

★道中与太話
マダガスカルの国内線はスーツケースを飛行機に乗せる時に忘れたり、落としたりよく
するそうです。搭乗前に窓越しに自分のスーツケースがきちんと飛行に乗せてくれてい
るか可能な限りチェックすべきです。
日本のようにしっかりと親切に対応してくれるわけではないのが当たり前なのです。
丈夫なスーツケースを持って行き、きちんと飛行に乗せたかどうか毎回チェックを
しないといけないです。また万一を考えて貴重品は手持ちにすべきです。