私はお茶が大好きです。それ故中国に渡り茶の原木を見に行ったこともあり、茶馬古道を知ってその足跡を撮影に行ったこともあります。
そんな私がまだ行けていないから行きたかったのが台湾の茶畑風景の撮影でした。
台湾は国として世界に認めてもらえていないため、素晴らしいところがあっても世界遺産に認定されないので世に知られていない地がたくさんあります。
私はお茶が有名な地ならば必ず素晴らしい茶畑が広がっている所があると信じ、ネットで探索しましたが観光化されているような所しか見つけられませんでした。ただ1枚の素晴らしい茶畑風景の写真を見つけ、それを元に台湾の方々にも探してもらいました。それでもなかなか場所を特定できず、最終手段としてグーグルマップの衛星画像を元に自分で場所を探し出し、いくつもの天空の茶園を発見しました。その結果、茶摘み風景も生で見ることができ大感激でした。
早朝から撮影していると茶園の方から声がかかり、朝食をご馳走になり、お茶を飲ませていただきました。しかも日ごとに作ったお茶を飲ませてもらいました。
飲み比べると毎日味がはっきりとわかるほど違いました。
手摘みで自然乾燥させてから半発酵させるので毎日味が違うのです。
これこそ自然であり、同じ名前のお茶が同じ味であることが自然と思っている日本人の感覚の方が不自然だと気づきました。また目の前で飲んだ袋のものを購入しないと違う味のものを購入したことになるなと、京都で何度か体験したことがある茶箱から取り出して飲ませていただき、その場でその茶箱のお茶を袋に入れてくれる意義が海外だから逆によく理解できました。
私が撮影で巡った場所で飲んだお茶は“凍頂烏龍茶”という種類になることを日本に帰宅後調べてわかりました。台湾を代表するお茶で、日本で購入すると当たり前ですがとても高価なものになるので、翌年再度同じ時期に行き大量に購入して、今も小分けしたものをときどき楽しんでいます。真空状態にして凍結すると風味も落ちにくくかなり長く楽しめます。
日本のお茶とは違いタンニンの渋みがほとんどなく、テアニンという癒しになる成分がたくさん入っていてやさしい風味豊かな味わいが特徴です。
今はコロナ禍で簡単には海外に行きにくくなってしまったし、台湾は中国やアメリカとの関係でよくテレビにも登場する場所になっているので先行きが心配です。
家のお茶の在庫がなくなるまでにまたぜひ行きたい場所の一つです。
★道中与太話
茶園は標高1,000m前後にたくさんあるため、茶園の近くには宿泊場所がありません。それゆえ、近くても1時間弱ぐらい離れた場所に宿泊をして早朝撮影に何度も行きました。
その道中で海外から茶摘みのために出稼ぎに来た車と出会い、後をついて行くと茶摘み風景が存分に撮影できました。英語や中国語で話が通じるので少し会話ができるように勉強してから行くとなお楽しいと思います。
茶摘みをしている人たちの服装や指先のカミソリなどもとても興味深かったです。